News / Journal

たとり直樹とスタジオ壱景11

よもやまばなし

10からの続き
 そのような三十代の日々、もし写真がフィルムのままだったら…シノゴ以下の機材はほぼ揃って、さぁこれから仕事も作品も1ランク上げるために次の段階に…と頭では考えつつも、実際にはデジタル写真に移行していかねばならず、好きで始めたカメラではない電気写真のカメラや「暗室じゃなく」パソコンなんていうでかい計算機にカネ使わねばならなくて納得できない日々でした。こういうの「時代の流れだから」と平気な人もいるだろうけど、流れなんかじゃなくて「未熟な道具への先走り」という生半可な思い込みの間違いに合わせて出費しなきゃいけないという不条理でしかなかったのです。そんな、本来全開で撮りまくってなきゃいけないはずの三十代半ばに、青天の霹靂な事件が起きます。いや、青天でなく記録的大雨なんですが、2004年7月18日、福井豪雨災害で事務所が床上50センチ、住居が床上30センチの浸水被害にみまわれたのでした。その日の朝暗いうちからすごい雨足で降り続き、事務所のすぐそばの北陸線のアンダーパスが朝の段階でまあまあな水たまりになってしまい通れなくなりました。昨今の大雨のニュース映像であるような、冠水道路に無理して突っ込んでくようなことができない、素人目にも池の姿になってたのは「こりゃあ無理だな」と思われて水没車を防げてよかったんかもしれない。でもそんな雨量でもいくら降り続いてもアンダーパスが満タンになりさらに道路も町も水に覆われる状態は想像しにくく、ろくに心配もせず日中外出していたら、出先で(事務所近くの)一級河川の堤防が決壊して大規模浸水が起こったことを知らされるのでした。続く

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